2013年01月07日
「シュラフの選び方」
|シュラフの選び方|
皆さんが活動されるキャンプや登山、車中泊、ツーリングなどなど。
目的は違えど1泊以上となれば通常の生活と同様、どこかで睡眠をとって疲労回復をするものと思います。

寒くて一睡もできない夜を過ごしたら翌日の活動にも大きな支障を生じるかもしれません。
「睡眠の質」って大事ですよね♪

なので「マット」同様、「シュラフ選び」ってとっても大事だと思います。
高価なものも多いし。

夏季ならシュラフなどなくても眠れちゃう日もあるでしょうが、こと気温の下がる秋~冬季~春季はシュラフ選びって重要になってくるんじゃないでしょうか?

そこで今回は「シュラフ選び」について探っていきたいと思いま~す♪

|自分の目的地の最低気温を把握する|
基本的には事前に天気予報を調べて、それに見合った温度設定のシュラフを選択するわけですが予報はあくまでも予報です。
予期せぬ突風や豪雨、ブリザードに遭うかもしれません。
装備の忘れ物があったり、滞在中にテントやマットに穴が開いてしまうこともあるかもしれません。
「シュラフ選びは設定温度にゆとりを持ってワンランク上のものを購入した方が失敗が少ない」と言われる理由の一つじゃないかと思います。

|シュラフに表示されている設定温度とは?|
・使用可能温度域
・標準使用温度領域
・快適温度
・限界温度
・快適使用域
・使用可能行き
・危険領域
以上のようにさまざまな表記がされていて統一された企画があれば分かりやすいのですが、一般的に各メーカーごとにバラバラなのが現状です。
ですが最低温度と最高温度との幅で表示されているものが一般的なので「最低気温」が自分の目的地に耐えうるかどうかが判断の目安となります。

|皮膚温度が29℃を下回ると要注意|
あるメーカーでは「-20℃」以下の試験室で人間にシュラフに入ってもらい被験者の体温を測定していくそうです。
通常皮膚体温が32.8℃までは快適に過ごせて「29℃」を下回ると危険が及ぶ可能性があると言われています。

|体感温度は個人によって異なる|
シュラフを買う際には目的地の最低気温を参考にシュラフを選んでいけば基本的には失敗が少ないわけですが、これも個人の体格差や男女間の差、そして経験値などによっても異なってきます。
ですのでメーカー表示も参考にしつつ個人の耐寒性も考慮に入れながらシュラフを選んでいく必要はあると思います。
|シュラフの形態別分類|
1.封筒型(レクタングラー型)
収納は多少かさ張りますが、ゆったりと快適性に優れています。
複数を連結して使えるタイプもあり小さいお子さん連れにも向いています。

2.マミー型
人の体型に沿ってデザインされたマミー(ミイラ)型シュラフです。
元々は山岳用のためコンパクトに収まり、肩口から頭部も含まれるので保温力に優れています。

|シュラフのシーズン別分類|
・サマーシーズン用
・春秋も対応する3シーズン用
・冬まで対応できる4シーズン用
サマーシーズンシュラフは中綿量が少なく、全体として薄く軽いのが特徴です。
中綿にはダウンや化繊を使用しているものもあります。


3シーズンシュラフはダウンのものと化繊のものとがありインナー、シュラフカバーなどと組み合わせれば初冬くらいまでは使い回しが効くものもあり便利です。


4シーズンシュラフは中綿量が多いのでサイズも大きく重くなります。
オートキャンプでは車載に融通が利くので良いツですがツーリング、登山などでは悩みの種になることも。
ですが中綿量が豊富なので暖かさにかけては抜群です。


|シュラフの価値は中綿の質と量|
シュラフの耐寒性は中綿の質と量に左右されます。
そのため中綿のよしあしを決めるポイントを挙げていきたいと思います。

「1.保温性」
同量で比較した暖かさ。
ダウンの場合、フィルパワー(FP)という単位で比べられます。
化繊は比較が難しいですがロフト(嵩高)や厚みがやはり重要となります。
「2.柔軟性」
中綿を手で触るとフワフワと快適なものとゴワゴワしたものとがあります。
柔らかいものは寝心地も良いですし、血行を妨げないので疲れが取れやすいという利点があります。

「3.耐久性」
シュラフの厚みは暖かさと大いに関係します。
中綿は使用すればするほど疲弊して厚みがなくなってきます。
化繊シュラフでは1本1本の繊維の跳ね返ろうとする力が重要となってきます。

「4.軽量&収納性」
同じ保温性のものと比較して軽いこと、そして同じ重量のものをつぶしてどこまで小さくなるかということ。
オートキャンプでは融通が利きますが、登山・ツーリングなどでは重要な要素となると思います。

(どちらもモンベル#0ですが左の小さいのがダウン、右が化繊です)
|シュラフが暖まるのは中綿間の空気が暖まるから|
そもそもシュラフはなぜ暖まっていくのでしょうか?
暖房などがない環境で中綿を暖めてくれるのは他でもない自らの体温です。
その体温がシュラフ内側のインナーシェルを伝わって中綿と中綿の間の「空気」を暖め、その暖まった暖気が逃げるのをシュラフ外側のアウターシェルが防いでくれているのです。

|保温性の決め手はデッドエアの量|
中綿内の空気が多ければ多いほど保温性が高くなります。
この空気は「デッドエア」と呼ばれシュラフと体表面の間の空気が外気と入れ替わってしまうのに対し、中綿内の空気は閉鎖空間にあるため一度暖まれば熱が逃げにくくなるという特徴があります。
「サマー用」

「ウインター用」

|ダウンと化繊の比較|(一般論です。例外はあります。)
|ダウンシュラフが高いのには理由がある?|
ダウンとは水鳥の羽のことです。
ダウンには「グース(ダチョウ)」と「ダック(アヒル)」とがあり胸の柔らかい毛が一般的にダウンと言われます。
一方で羽の硬い芯の部分がついているものが「フェザー」
一般的には「グース」の方が品質が良いとされています。
また原産国もアメリカ、カナダ、中国、ヨーロッパなどありますがポーランドなどの寒い地方で育った水鳥のものが珍重されているようです。


|FPの大きいダウンは空気をたくさん含み保温力がある|
「フィルパワー(FP)とは?」
フィルパワー値とは、元々欧米などで用いられている羽毛のかさ高性を表す単位です。羽毛1オンス(28.4g)当たりのふくらみ度合いを立方インチ(2.54cm立方)で示します。「600フィルパワー」とは1オンスの羽毛が600立方インチの体積にふくらんでいることを表し、数値が大きいほど良質なダウンといえます。

日本繊維製品品質技術センターより。
|キルティングでダウンの移動を防ぎ一定の保温力を保つ|
ダウンの移動を防ぐ構造になっていない場合、ダウンはある特定の場所に集まってしまったりして、それ以外の保温力が著しく低下します。
そこでシュラフの内側と外側の生地を縫い付ける事でダウンの移動を防ぐ構造を「キルティング」と呼び、保温性を高めるのに役立っています。
「1.シングルキルト」
インナーとアウターのシェルをシンプルに縫い付けたのが「シングルキルト」です。
ダウンの移動は防げますが、縫い目にはダウンがないので冷気のない「コールドポイント」となる弱点があります。
サマーシーズンシュラフによく使われる傾向があります。

「2.ダブルキルト」
シングルキルトに出来てしまうコールドポイントを無くすために考えられたのが「ダブルキルト」構造です。
縫い目をずらすよう二重に合わさっているため冷気が侵入しにくくなっています。

「3.ボックスキルト」
ダブルキルトがコールドポイントを無くすように縫われていても縫われた部分にダウンが無い以上、どうしてもそこから熱が逃げてしまいます。
そこでチェンバーを箱型にしてコールドポイントを無くしてしまおうという構造が「ボックスキルト」です。
チェンバーはメッシュ隔壁によって分けられ、キルティングより保温性が高く、4シーズンシュラフに用いられる事が多い構造です。

「4.瓦葺き構造」
隔壁の布と保温剤が斜めに瓦葺き状に配置されています。
荷重で中綿がつぶれても表地と裏地が接する事がないためコールドポイントが生じません。
保温性に優れるためウインター用の化繊シュラフにも多く使用されています。

|化繊シュラフの魅力|
化繊シュラフの魅力はやはりダウンに比べて安価で求めやすい点ですが、最近の化繊シュラフではダウンに近い性能を持つものも増えてきています。
初めのうちはシュラフのよしあしは見極めにくいので、3シーズンの化繊シュラフを購入するのも手かと思います。

|ダウンに迫る化繊中綿|
最近では各社でさまざまな化学繊維の開発がされており、ロフト(嵩高)、保温性に優れ、コンパクトに収納できる中綿を持つシュラフも多く出回っています。

|設定温度以外に細部構造も大事|
シュラフ購入の際には設定温度、中綿量、重量、サイズなどに目が行ってしまいがちですが、細部構造も大事です。
「シュラフの構造」
・アウターシェル
・インナーシェル
・キルティング
・チェンバー(気室)
・フード
・ジッパー
・ドローコード
・サーマルカラー
・ドラフトチューブ
「フード」
フラットな構造をしたフードは3シーズンには向きますが冬季には立体的に絞れるフードの方が保温性が高くなります。

「サーマルカラーの有無」
どれだけフードをしっかり絞っていても寝返りをうつ度に多少の換気が流入する事は防げません。
サーマルカラーは空気の出入り口になりやすい首肩のスペースを絞り込んで空気の出入りをシャットアウトし、保温性を高めてくれるものです。
同じ温度設定でもサーマルカラーがあるものと無いものでは実際に使用した体感温度が異なって来ることもあります。

「ドラフトチューブ」
ジッパー部には直接の中綿が無いためコールドポイントになります。
通常はジッパーの側面に帯状の中綿(ドラフトチューブ)が取り付けられているものが多いようです。
ジッパー部からの冷気の侵入を防ぐためドラフトチューブがしっかりしているかどうかは重要です。

「ドローコード」
寒い時には一刻も早く締めたいドローコード。
極度に寒い時には口・鼻だけを出して使用する事もあります。
スムーズに絞れる事、左右対称に絞れる事が大事です。
店頭で引っ張ってみてMAXまでスムーズ絞り込めるか確認してみるのも良いでしょう。


「ジッパー」
シュラフに入る際や一部を開放して温度調節したいときにスムーズに開け閉めできることは重要です。
また締めるときに布地を噛んでしまうとシュラフ自体を傷つけてしまうことも。
ドラフトチューブとジッパーが噛み合わないように「噛み込み防止テープ」などの工夫が施されているかもポイントとなります。

|原則的に体に密着したシュラフの方が保温性が高くなる|
基本的にはシュラフと体表との間に空気が入り込まない方が保温性が高くなります。
つまり体に密着したシュラフの方が暖かい、ということになります。
特に足元は重要で足元がスリムな物の方が保温性は高いです。
ですが、その分窮屈に感じたり血行を妨げられて快眠を損なうこともあるので自分の体格にあったシュラフ選びが大事です。

|店頭でのチェックポイント|
展示スペースの関係上、店頭ではたいていシュラフは天井からぶら下がっています。
これにより実際よりもフードや肩周りのロフトがあるように見えてしまう事もあります。
その為、可能であれば店員さんにお願いして横に寝かせてもらいロフトを確認するのも有効です。

|中綿の耐久性はロフトの復元力|
何度か使用するうちにシュラフがペッタンコになってしまっては保温性が保てません。
そこで店頭でぶら下がったシュラフのフード部分をぐっと押さえ込み、ロフトが元に戻るまでの時間がロフトの耐久性を見る目安となります。
手の形がいつまでも残るようならロフトの耐久性が低い可能性があります。

|シュラフカバー|
シュラフカバーは必ずしも必要なものではありませんが、以下のような理由で使用することもあります。
ダウンシュラフは濡れに弱く、一度濡れるとロフトが極端に低下します。
雨天や雪の日には衣服やテントについた水滴や雪をテント内に持ち込んでシュラフを濡らしてしまうと保温性は低下してしまいます。
また汗や吐いた息が原因でテント内に結露が生じる事もあります。
その為水滴からシュラフを守ってくれるシュラフカバーは大事な存在です。
濡れるような環境でなければシュラフカバーは原則必要ありませんが、防水性以外にもも保温性を数℃上げてくれる効果もあります。

「シュラフカバーは高価で手が出せない」という方はこちらの商品もお勧めです。
防水性、通気性に優れていてシュラフに結露が生じにくくなっています。 シュラフ内の温度を上げてくれる効果もあります♪
ただし本製品は元来エマージェンシーのための商品で耐久性については未確認のため、ハードな環境で使用される場合や長期に使いまわすのであればゴアテックス製のものの方が安心かもしれません。


|快適に眠るためのひと工夫|
・雨天などでテント内に結露が生じた際にシュラフの足元が濡れるのを防いだり、極寒で足元が寒くて眠れないときには透湿性のあるウェアやザックカバーをシュラフの足元にすっぽり被せると防水効果と保温性を高める事が出来ます。
・人体で足元は冷えやすい部分です。
その為足元を暖かくすると快適に眠れることも多いものです。
ヒートテックのインナー、靴下を着用したり、カイロ、湯たんぽなどを足元におくだけでもかなりの効果があります。



・サーマルカラーのないシュラフでは首周りにブランケットやマフラーを巻いて寝ると寒気の流入を防いだり、シュラフ内の暖気が逃げるのを防ぐ事が出来ます。
・シュラフはロフトがなければ暖かくなりません。
その為、就寝の少なくとも30分前には広げておき空気をたっぷり含ませてあげると保温性が上がります。

|各自の目的、用途に合わせてマイベスト・シュラフを選んでください|
一般的な特徴を挙げてみました。(例外はあります)
代表的メーカーのシュラフラインナップです。ぜひ参考にしてみてください♪
皆さんも御自身の目的・用途に合わせてあれこれ検討してみて、
できれば店内で実物のサイズやさわり心地、ロフトなどを体験してみてはいかがでしょうか?
そして「マイベスト・シュラフ」に巡り合えれば良いですね♪
口コミ豊富で信頼のナチュラム売れ筋はこちら。
基本的には事前に天気予報を調べて、それに見合った温度設定のシュラフを選択するわけですが予報はあくまでも予報です。
予期せぬ突風や豪雨、ブリザードに遭うかもしれません。
装備の忘れ物があったり、滞在中にテントやマットに穴が開いてしまうこともあるかもしれません。
「シュラフ選びは設定温度にゆとりを持ってワンランク上のものを購入した方が失敗が少ない」と言われる理由の一つじゃないかと思います。

|シュラフに表示されている設定温度とは?|
・使用可能温度域
・標準使用温度領域
・快適温度
・限界温度
・快適使用域
・使用可能行き
・危険領域
以上のようにさまざまな表記がされていて統一された企画があれば分かりやすいのですが、一般的に各メーカーごとにバラバラなのが現状です。
ですが最低温度と最高温度との幅で表示されているものが一般的なので「最低気温」が自分の目的地に耐えうるかどうかが判断の目安となります。

|皮膚温度が29℃を下回ると要注意|
あるメーカーでは「-20℃」以下の試験室で人間にシュラフに入ってもらい被験者の体温を測定していくそうです。
通常皮膚体温が32.8℃までは快適に過ごせて「29℃」を下回ると危険が及ぶ可能性があると言われています。

|体感温度は個人によって異なる|
シュラフを買う際には目的地の最低気温を参考にシュラフを選んでいけば基本的には失敗が少ないわけですが、これも個人の体格差や男女間の差、そして経験値などによっても異なってきます。
ですのでメーカー表示も参考にしつつ個人の耐寒性も考慮に入れながらシュラフを選んでいく必要はあると思います。
|シュラフの形態別分類|
1.封筒型(レクタングラー型)
収納は多少かさ張りますが、ゆったりと快適性に優れています。
複数を連結して使えるタイプもあり小さいお子さん連れにも向いています。

2.マミー型
人の体型に沿ってデザインされたマミー(ミイラ)型シュラフです。
元々は山岳用のためコンパクトに収まり、肩口から頭部も含まれるので保温力に優れています。

|シュラフのシーズン別分類|
・サマーシーズン用
・春秋も対応する3シーズン用
・冬まで対応できる4シーズン用
サマーシーズンシュラフは中綿量が少なく、全体として薄く軽いのが特徴です。
中綿にはダウンや化繊を使用しているものもあります。


3シーズンシュラフはダウンのものと化繊のものとがありインナー、シュラフカバーなどと組み合わせれば初冬くらいまでは使い回しが効くものもあり便利です。


4シーズンシュラフは中綿量が多いのでサイズも大きく重くなります。
オートキャンプでは車載に融通が利くので良いツですがツーリング、登山などでは悩みの種になることも。
ですが中綿量が豊富なので暖かさにかけては抜群です。


|シュラフの価値は中綿の質と量|
シュラフの耐寒性は中綿の質と量に左右されます。
そのため中綿のよしあしを決めるポイントを挙げていきたいと思います。

「1.保温性」
同量で比較した暖かさ。
ダウンの場合、フィルパワー(FP)という単位で比べられます。
化繊は比較が難しいですがロフト(嵩高)や厚みがやはり重要となります。
「2.柔軟性」
中綿を手で触るとフワフワと快適なものとゴワゴワしたものとがあります。
柔らかいものは寝心地も良いですし、血行を妨げないので疲れが取れやすいという利点があります。

「3.耐久性」
シュラフの厚みは暖かさと大いに関係します。
中綿は使用すればするほど疲弊して厚みがなくなってきます。
化繊シュラフでは1本1本の繊維の跳ね返ろうとする力が重要となってきます。

「4.軽量&収納性」
同じ保温性のものと比較して軽いこと、そして同じ重量のものをつぶしてどこまで小さくなるかということ。
オートキャンプでは融通が利きますが、登山・ツーリングなどでは重要な要素となると思います。

(どちらもモンベル#0ですが左の小さいのがダウン、右が化繊です)
|シュラフが暖まるのは中綿間の空気が暖まるから|
そもそもシュラフはなぜ暖まっていくのでしょうか?
暖房などがない環境で中綿を暖めてくれるのは他でもない自らの体温です。
その体温がシュラフ内側のインナーシェルを伝わって中綿と中綿の間の「空気」を暖め、その暖まった暖気が逃げるのをシュラフ外側のアウターシェルが防いでくれているのです。

|保温性の決め手はデッドエアの量|
中綿内の空気が多ければ多いほど保温性が高くなります。
この空気は「デッドエア」と呼ばれシュラフと体表面の間の空気が外気と入れ替わってしまうのに対し、中綿内の空気は閉鎖空間にあるため一度暖まれば熱が逃げにくくなるという特徴があります。
「サマー用」

「ウインター用」

|ダウンと化繊の比較|(一般論です。例外はあります。)
良いところ | 悩ましいところ | |
ダウンシュラフ![]() |
・ロフト(中綿のかさ高)が大きい。 ・柔らかく肌触りが良い。 ・軽量でコンパクト収納できる。 |
・高価。 ・濡れに弱い。 ・洗濯や保管方法などメンテナンスはやや煩雑。 |
化繊シュラフ![]() |
・価格がリーズナブル。 ・濡れに強いというわけではないが干した時に速やかに乾燥しやすい。 ・洗濯や保管も簡単。 |
・ロフトは同量比較ではダウンに部がある。 ・肌触りがダウンには一歩譲る。 (中にはダウンに劣らず快適なものもあります) ・ダウンに比べれば重くてかさばる。 |
|ダウンシュラフが高いのには理由がある?|
ダウンとは水鳥の羽のことです。
ダウンには「グース(ダチョウ)」と「ダック(アヒル)」とがあり胸の柔らかい毛が一般的にダウンと言われます。
一方で羽の硬い芯の部分がついているものが「フェザー」
一般的には「グース」の方が品質が良いとされています。
また原産国もアメリカ、カナダ、中国、ヨーロッパなどありますがポーランドなどの寒い地方で育った水鳥のものが珍重されているようです。


|FPの大きいダウンは空気をたくさん含み保温力がある|
「フィルパワー(FP)とは?」
フィルパワー値とは、元々欧米などで用いられている羽毛のかさ高性を表す単位です。羽毛1オンス(28.4g)当たりのふくらみ度合いを立方インチ(2.54cm立方)で示します。「600フィルパワー」とは1オンスの羽毛が600立方インチの体積にふくらんでいることを表し、数値が大きいほど良質なダウンといえます。

日本繊維製品品質技術センターより。
|キルティングでダウンの移動を防ぎ一定の保温力を保つ|
ダウンの移動を防ぐ構造になっていない場合、ダウンはある特定の場所に集まってしまったりして、それ以外の保温力が著しく低下します。
そこでシュラフの内側と外側の生地を縫い付ける事でダウンの移動を防ぐ構造を「キルティング」と呼び、保温性を高めるのに役立っています。
「1.シングルキルト」
インナーとアウターのシェルをシンプルに縫い付けたのが「シングルキルト」です。
ダウンの移動は防げますが、縫い目にはダウンがないので冷気のない「コールドポイント」となる弱点があります。
サマーシーズンシュラフによく使われる傾向があります。

「2.ダブルキルト」
シングルキルトに出来てしまうコールドポイントを無くすために考えられたのが「ダブルキルト」構造です。
縫い目をずらすよう二重に合わさっているため冷気が侵入しにくくなっています。

「3.ボックスキルト」
ダブルキルトがコールドポイントを無くすように縫われていても縫われた部分にダウンが無い以上、どうしてもそこから熱が逃げてしまいます。
そこでチェンバーを箱型にしてコールドポイントを無くしてしまおうという構造が「ボックスキルト」です。
チェンバーはメッシュ隔壁によって分けられ、キルティングより保温性が高く、4シーズンシュラフに用いられる事が多い構造です。

「4.瓦葺き構造」
隔壁の布と保温剤が斜めに瓦葺き状に配置されています。
荷重で中綿がつぶれても表地と裏地が接する事がないためコールドポイントが生じません。
保温性に優れるためウインター用の化繊シュラフにも多く使用されています。

|化繊シュラフの魅力|
化繊シュラフの魅力はやはりダウンに比べて安価で求めやすい点ですが、最近の化繊シュラフではダウンに近い性能を持つものも増えてきています。
初めのうちはシュラフのよしあしは見極めにくいので、3シーズンの化繊シュラフを購入するのも手かと思います。

|ダウンに迫る化繊中綿|
最近では各社でさまざまな化学繊維の開発がされており、ロフト(嵩高)、保温性に優れ、コンパクトに収納できる中綿を持つシュラフも多く出回っています。

|設定温度以外に細部構造も大事|
シュラフ購入の際には設定温度、中綿量、重量、サイズなどに目が行ってしまいがちですが、細部構造も大事です。
「シュラフの構造」
・アウターシェル
・インナーシェル
・キルティング
・チェンバー(気室)
・フード
・ジッパー
・ドローコード
・サーマルカラー
・ドラフトチューブ
「フード」
フラットな構造をしたフードは3シーズンには向きますが冬季には立体的に絞れるフードの方が保温性が高くなります。

「サーマルカラーの有無」
どれだけフードをしっかり絞っていても寝返りをうつ度に多少の換気が流入する事は防げません。
サーマルカラーは空気の出入り口になりやすい首肩のスペースを絞り込んで空気の出入りをシャットアウトし、保温性を高めてくれるものです。
同じ温度設定でもサーマルカラーがあるものと無いものでは実際に使用した体感温度が異なって来ることもあります。

「ドラフトチューブ」
ジッパー部には直接の中綿が無いためコールドポイントになります。
通常はジッパーの側面に帯状の中綿(ドラフトチューブ)が取り付けられているものが多いようです。
ジッパー部からの冷気の侵入を防ぐためドラフトチューブがしっかりしているかどうかは重要です。

「ドローコード」
寒い時には一刻も早く締めたいドローコード。
極度に寒い時には口・鼻だけを出して使用する事もあります。
スムーズに絞れる事、左右対称に絞れる事が大事です。
店頭で引っ張ってみてMAXまでスムーズ絞り込めるか確認してみるのも良いでしょう。


「ジッパー」
シュラフに入る際や一部を開放して温度調節したいときにスムーズに開け閉めできることは重要です。
また締めるときに布地を噛んでしまうとシュラフ自体を傷つけてしまうことも。
ドラフトチューブとジッパーが噛み合わないように「噛み込み防止テープ」などの工夫が施されているかもポイントとなります。

|原則的に体に密着したシュラフの方が保温性が高くなる|
基本的にはシュラフと体表との間に空気が入り込まない方が保温性が高くなります。
つまり体に密着したシュラフの方が暖かい、ということになります。
特に足元は重要で足元がスリムな物の方が保温性は高いです。
ですが、その分窮屈に感じたり血行を妨げられて快眠を損なうこともあるので自分の体格にあったシュラフ選びが大事です。

|店頭でのチェックポイント|
展示スペースの関係上、店頭ではたいていシュラフは天井からぶら下がっています。
これにより実際よりもフードや肩周りのロフトがあるように見えてしまう事もあります。
その為、可能であれば店員さんにお願いして横に寝かせてもらいロフトを確認するのも有効です。

|中綿の耐久性はロフトの復元力|
何度か使用するうちにシュラフがペッタンコになってしまっては保温性が保てません。
そこで店頭でぶら下がったシュラフのフード部分をぐっと押さえ込み、ロフトが元に戻るまでの時間がロフトの耐久性を見る目安となります。
手の形がいつまでも残るようならロフトの耐久性が低い可能性があります。

|シュラフカバー|
シュラフカバーは必ずしも必要なものではありませんが、以下のような理由で使用することもあります。
ダウンシュラフは濡れに弱く、一度濡れるとロフトが極端に低下します。
雨天や雪の日には衣服やテントについた水滴や雪をテント内に持ち込んでシュラフを濡らしてしまうと保温性は低下してしまいます。
また汗や吐いた息が原因でテント内に結露が生じる事もあります。
その為水滴からシュラフを守ってくれるシュラフカバーは大事な存在です。
濡れるような環境でなければシュラフカバーは原則必要ありませんが、防水性以外にもも保温性を数℃上げてくれる効果もあります。

「シュラフカバーは高価で手が出せない」という方はこちらの商品もお勧めです。
防水性、通気性に優れていてシュラフに結露が生じにくくなっています。 シュラフ内の温度を上げてくれる効果もあります♪
ただし本製品は元来エマージェンシーのための商品で耐久性については未確認のため、ハードな環境で使用される場合や長期に使いまわすのであればゴアテックス製のものの方が安心かもしれません。


|快適に眠るためのひと工夫|
・雨天などでテント内に結露が生じた際にシュラフの足元が濡れるのを防いだり、極寒で足元が寒くて眠れないときには透湿性のあるウェアやザックカバーをシュラフの足元にすっぽり被せると防水効果と保温性を高める事が出来ます。
・人体で足元は冷えやすい部分です。
その為足元を暖かくすると快適に眠れることも多いものです。
ヒートテックのインナー、靴下を着用したり、カイロ、湯たんぽなどを足元におくだけでもかなりの効果があります。



・サーマルカラーのないシュラフでは首周りにブランケットやマフラーを巻いて寝ると寒気の流入を防いだり、シュラフ内の暖気が逃げるのを防ぐ事が出来ます。
・シュラフはロフトがなければ暖かくなりません。
その為、就寝の少なくとも30分前には広げておき空気をたっぷり含ませてあげると保温性が上がります。

|各自の目的、用途に合わせてマイベスト・シュラフを選んでください|
封筒型![]() |
マミー型![]() |
|
---|---|---|
良いところ | ・手足の自由度が高く、ゆったり快適。 ・雨に濡れる事は基本的に想定されていないため中綿や表生地に綿が使われている事が多く肌触りや寝心地も快適。 ・ジッパーが「L字型」に開閉できるため大きく広げて掛け布団や敷布団としても使用可能。 ・夏季にも温度調整しやすい。 ・複数を連結させて子供と添い寝することもできる。 |
・人型に設計されているため頭部までスッポリ入るので保温性は高い。 ・冬季まで対応できる4シーズンの物もある。 ・元々山岳系のためコンパクトに収納できる。 ・中綿は化繊とダウンのものがありダウンならさらにコンパクト。 |
悩ましいところ | ・一部ダウン製品もあるが基本的に収納サイズは大きいものが多い。 | ・封筒型と比較すると体型にフィットサイズとなるため寝心地は一歩譲る。 |
こんな方にオススメ | 多少重くて大きくても寝心地を重視したい方 車での移動が中心の方 暖かいシーズン中心で活動される方 |
荷物を軽くコンパクトにしたい方 バックパックに詰めて使用する方 バイク、自転車などでの移動する方 冬季も含めて活動される方 |
一般的に使用されるシチュエーション | 夏季中心のオートキャンプ 春季~秋季にかけての車中泊、職場での仮眠 |
冬季も含めたオートキャンプ 山岳系 バックパッカー ツーリング 冬季も含めた車中泊、職場での仮眠 |
口コミ豊富な信頼感 | ナチュラムで検索 | ナチュラムで検索 |
温度別で探せます | Amazonで検索 |
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代表的メーカーのシュラフラインナップです。ぜひ参考にしてみてください♪
モンベル | イスカ | ナンガ | ドイター |
---|---|---|---|
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スナグパック | スノーピーク | コールマン | ロゴス |
---|---|---|---|
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皆さんも御自身の目的・用途に合わせてあれこれ検討してみて、
できれば店内で実物のサイズやさわり心地、ロフトなどを体験してみてはいかがでしょうか?
そして「マイベスト・シュラフ」に巡り合えれば良いですね♪
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Posted by ゆう・ひろパパ at 08:08│Comments(0)
│「シュラフの選び方」
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